2012年5月1日

良いものは


ある方のmixi日記で引用されていた文です。

迷ったときに、目が曇ったときに、自分が自分でなく感じ、どうしたら
いいのか分からなくなったときに、振り返られるように、自分に言い聞かせる
ために、ここにも転記したいと思います。

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これはあなたの人生です。 

自分が好きなことをやりなさい。

そして、どんどんやりなさい。

何か気に入らないことがあれば、
それを変えなさい。

今の仕事が気に入らなければ、
やめなさい。

時間が足りなかったら、
テレビを見るのをやめなさい。

人生をかけて愛する人を探しているなら、
それもやめなさい。

その人は、あなたが好きなことを始めたときにあらわれます。

考えすぎるのをやめなさい、
人生はシンプルです。

すべての感情は美しい。

食事を、ひと口ひと口味わいなさい。

新しいことや人々の出会いに、
心を、腕を、ハートを開きなさい。

私たちは、
それぞれの違いで結び付いているのです。

自分のまわりの人々に、
何に情熱を傾けているか聞きなさい、

そして、
その人たちにあなた自身の夢も語りなさい。

たくさん旅をしなさい。

道に迷うことで、
新しい自分を発券するでしょう。

ときにチャンスは一度しか訪れません。

しっかりつかみなさい。

人生とは、あなたが出会う人々であり、
その人たちとあなたが作るもの。

だから、待ってないで作り始めなさい。

人生は短い。

情熱を身にまとい、自分の夢を生きよう。


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2012年4月20日

あなたが必要なんです


『「あなたが必要なんです!」と伝えることが苦手。周りも自分も。気がつくと必要としないようにしようとする。つまんない。』


これは、ある学生団体の仲間が、Twitterでだいぶ前につぶやいたセリフ。自分にとっては、かなり大切にしたい名言のひとつです。

家族、恋人、友人。大切な人を「大切だ」と言えること。自分の人生にとってかけがえのない人を「かけがえがない」と覚悟を決めて言えること。人と自分との関係が深ければ深いほど、その人を失った場合や、その人から拒絶された場合、自分へのダメージは、より大きいものになるでしょう。

だから、そんな深い関係になることを恐れる。避ける。自分はまわりの人を必要としていない、必要としないでも生きていける。それがいいんだと、リスクを避けて生きる。極力、人を必要としない人生を選択することもできるかもしれない。

だけれど、けれども。この言葉が最後に締めくくっているように。そんな人生、つまんないんです。

2012年4月18日

自分が変われば、世界が変わる

自分が変われば、世界が変わる

この言葉は、誰が言ったのか、自分が考えたのか、分からなくなってしまいましたが、自分がとても好きな言葉であり、自分のモットーにしています。

この言葉が意味するところは、2つあります。

1つめは、自分は決して無力ではなく、世界が抱える課題、問題を少しでも改善する、世界の人々に影響を与えるために人生を費やす。そのために自分が変わっていけばいいし、変わることができる。とても前向き、ポジティブな、向上心、野心を含んだ意味合いです。

このような熱い思いは素晴らしいし、決して失いたくない志なのですが、正直なところ、若干の無理があり、ひとりの人生でできるところは限りがあるな、とは思っています。しかし、若いと言える時期を過ぎても、いつまでも、自分は世界に影響を与える、大きな仕事をするんだ、という意気込みを持ち続けたいものです。

もう1つの、この言葉が持つ意味は、「世界を認識しているのは、何者でもない、自分自身である」ということに由来することです。デカルトの言う、我思うゆえに我あり、といったところでしょうか。

同じ事象を、ある人が見ても何も感じなくても、別の人がみたら美しく感じるかもしれません。また、ある人は気づかなくても、他の人は気づける素晴らしさというものがあるかもしれません。

別の言葉に、幸せはいつも自分の心が決める、というものがあり、これと共通するものでしょう。世界と対峙したときに、自分がどう感じるか。どうリアクションするのか。つまらない、悲劇と感じるか、素晴らしさに満ちている、喜劇と感じるか。どちらだと世界を捉えるかは、自分のありようが決める。

どうせ同じ世界を生きるのであれば、素晴らしい世界を生きられるよう、世界を見つめてみようとする姿勢は、人生を豊かにすると、そう信じています。

2011年8月20日

富士山ガイドと「ありがとう」

7月中旬から8月中旬まで富士山でガイドの仕事をしてきました。富士山5合目から頂上までの往復15時間の行程、20名から40名のお客様をガイド1人(たまに2人)で案内する仕事で、今回は、1ヶ月間で15回ほど登頂しました。

山小屋がたくさんあり、登山者の多い富士山とはいえ、ご案内するお客様の中には、運動を普段しないし登山が今回はじめてという高齢者の方もおり、その日はじめて会った人をこれだけの人数、ガイド1人ないし2人で案内するのは、けっこうなハイリスク。

初対面のお客様とコミュニケーションをとりながら、お客様全員の体力、体調を見極めて、天候の判断、状況の総合的判断をしながら、他のガイドとの連携のもと安全にお客様を案内するというこの仕事は、将来、多数の患者さんと接し、様々な条件を総合的に考慮に入れて、判断を下さなければならない医療者に通ずるものがあると思うし、緊張感のある、自分が成長できる貴重な経験でした。

ガイド自体は、とてもお客様から感謝のされる仕事です。下山時は社交辞令であっても「ガイドさんのおかげで登頂できました」と必ずと言っていいほどお客様は言ってくれます。後日、感謝の手紙やお土産を送ってくれるお客様もいらっしゃいます。とても「やりがい」のある仕事と言えるでしょう。

しかし、今回同時に感じたことは、決してガイドだけでこの仕事は成り立っていないということです。このことは、ガイドの仕事を取ってきてくれる山小屋の社長からの言葉でもあります。「ガイドは感謝されて当然なんだ」というのが社長の言葉です。

仕事をとってきてくれる山小屋の社長、バスの集合場所から登山の行程を一緒に登ってくれる添乗員さん、登山道具のレンタル業務など様々なサポートをしてくれる方、山小屋で食事を作ってくれる厨房の方、小屋出し、小屋入れ、寝床の準備、食事の準備をしてくれる番頭さん、リタイアするお客さんを受け入れてくれる他の山小屋の方、頂上での休憩場所を提供してくれる山小屋の方々、ガイドが5合目で休憩できる場所を確保してくれることに協力してくれる方々、そういった多数の人の協力なしには、下山後のお客様から自分達ガイドに向けての「ありがとう」はないのです。

自分達は、直接「ありがとう」をお客様から頂くことができますが、前述の方たちには直接、お客様からそういった言葉を聞くことのできる機会はないかもしれません。だからこそ、関係者、この仕事を成り立たせてくれている方々一人ひとりに、ガイドから「ありがとう」をお客様の代弁として日々、伝える必要があるのだと思います。

医師は患者さんから「ありがという」を一番多くいただける立場にあるかもしれません。将来、この富士山ガイドで感じたことを忘れず、一緒に働く仲間全員に、患者さんからの「ありがとう」を代弁できる医師にならなければならないと学んだ夏でした。

2011年7月5日

国民皆保険50年 == 私たちの「宝」を失わないために

色平哲郎先生の出演されるNHKの番組の原稿です。
日本の医療において核となる大きな課題について、分かりやすくまとまっています。

是非、すべての人に一読いただきたいと思い転載しました。

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NHK「視点・論点」、7月6日

総合・早朝420-、教育・昼休み1250-、明日の放映です


国民皆保険50年 == 私たちの「宝」を失わないために 色平哲郎


健康保険証を提出すると、かかった医療費の一部負担で治療が受けられます。

ちょうど50年前、戦後、まだ貧しかった時代のこと、医師会と政府が協力し
実現したこの制度に、今、世界が熱い視線を向けています。

国民皆保険ときいて、皆さんは「国民全員が医療保険を持っているのは、
当たり前」と感じられますか。


日本では発足から半世紀をかけ、この間、次第に、「当たり前」に
なりましたが、海外では、今でも決して「当たり前」ではありません。

フリーアクセスといいますが、保険証1枚で、原則、どの病院の、
どの医師にもかかることができる、これは世界中の人々の驚きです。

すばらしいことでもあり、すばらし過ぎることでもありましょう。


医療保険には、がん保険や生命保険など、私(わたくし)的なものもあります。

いざという時のために、それぞれの判断で購入するものであって、今、海外から
注目の的となっている「公的医療保険」すなわち皆保険、とはまったくの別物。

前提として、ここをご理解ください。


会社員なら健康保険組合(健保)、公務員なら共済組合、
自営業なら国民健康保険(国保)。

国民全員が、社会保険料を出しあって、本人または家族が
病気やけがをした際の経済的負担を減らし、安心して治療ができるように備える。

全員のリスクに、全員で備える、そんな「公的医療保険」すなわち皆保険こそ、
日本人が世界に誇れる「宝」なのです。


先日タイのバンコクで千人が集まった世界保健機関(WHO)の国際会議に出ました。

今回の震災ももちろんですが、
日本はそれ以外にも2つの点で、世界から注目されています。

日本の皆保険がはたして21世紀も持続可能なのかどうか、という点、
そして、日本の人口動態が21世紀どうなっていくのだろう、という、この2点です。


なぜ皆保険は世界各国から注目されるのでしょうか。

実は現在、すでに50ヵ国ほどが皆保険を導入し、
サービス給付を徐々に増やしている最中だからです。

どの国も悩んでいる。

財源についてばかりではありません。

むしろ「地方で、農村で、働きつづけたい」と考える医師や看護師の
確保が、極端に、難しいのです。


たとえ保険証を持っていても、あるいは病院の建物は建っていても、
医療従事者がいなければ、皆保険は機能しません。

WHO会議でも「ヘルス・マンパワーを、どうやったら農山村で
確保できるのか」という話題が白熱しました。

だから、日本の山村で医療に携わる私が呼ばれたのでしょうか。

日本人にとってはごく当たり前となった「国民全員をカバーする医療保険制度」
ですが、世界的には、かなり実現困難なことなのです。


日本の農村では、農民たちがお金を出しあって、病院を建て医師を雇ってきました。

私が働く佐久病院の正式名称は、「JA長野厚生連・佐久総合病院」
といいます。

(パネル1、佐久病院の写真と「JA厚生連」の文字)

厚生連とは、農山村などに医療機関を確保するため、農協が設立した組織。

無医村の解消、そして比較的安い費用で受診できるように、との配慮で、農民の
組合が「公的病院」として建設、全国に110以上、その多くが郡部にあります。


農村医学の確立者として知られる佐久病院の故・若月俊一院長は、
「すべての医療は、地域医療でなければならない」と語り、
その立場に徹して病院を育ててきました。

(パネル2、若月ドクターの写真)

今、地域医療が注目されるのは、逆にいえば、医療が地域から浮いて
しまっているからかもしれません。

つまり、患者との距離ができてしまった、ということでしょうか。


私は十数年間、山の村の診療所長を勤めました。

信州のおだやかな山村に、毎年、百数十人の医学生や看護学生が
実習に来てくれました。

(パネル3、医学生とともに、村で)

栄光の50年の歴史をもつ日本の皆保険ですが、今、
財政赤字、未納、滞納、そして無保険者の増加、などの問題がでてきています。

そんな国内問題で、この貴重な制度資本が崩れかねないのではないかと、
世界中が心配している。

この心配を、来村する若い学生たちに説明いたします。


不安材料はほかにもあります。

外国に行って医療を受ける「医療ツーリズム」の増加、
更には日本も参加を検討しているという、環太平洋経済連携協定(TPP=
原則として例外を認めない、「完全自由貿易」を目指した経済の枠組み)などです。

つまり、国内問題ばかりではなく、海外からの大波でも崩れかねない。

日本の公的医療保険がそのような危機的状況にあることについて、
多くの日本人は、知ってはいても、関心を持ててはいませんでした。


ところで、人間の死亡率はいったい何%でしょうか。

(パネル4、私の写真、お坊さんか、お医者さんか)

100%です。

すべての人が必ず死にます。

お坊さんのお写真です。

だから医療保険は、国民全員、みんなが使うのです。

ほとんどの日本人が、日本の医師にかかって亡くなるわけでしょう。

となれば、もっと、もっと、普段から医療制度について「自分のこと」として
考えておかないといけないのではないでしょうか。


高齢化問題も同じです。

人口動態をみると、日本は世界最大規模、そして最高速度で高齢化が進行中です。

高齢者人口は今から20年後、2030年代に極大になります。

ここをどう乗り越えるのか、日本社会全体で必死に考えなければなりません。

交通弱者の増加、街づくりの問題、そして単身生活者の激増、が社会全体を覆います。

介護人材を確保できないと、自分たちの老後がないんですよ。

もちろんあなたの老後も、です。


そしてこの問題、「こうすれば大丈夫」という答がありません。

人類史上初めてのことに直面しているのですから。

高齢化が進むと、「医療技術でなんとかできる時代」は終わります。

認知症はもちろん、ほかにも治せない病気、治しきれない病気がどんどん出てきます。

社会福祉や介護の問題について、医師に意見を求めたがる人は多いのですが、
医療技術の専門家たる医師には、残念ながら、超高齢社会の実像は見えておりません。


先ほど医療ツーリズムの話をいたしましたが、
日本人が外国に治療に行く、だけでなく、外国からも患者さんが来ます。

例えばどこかの国のお金持ちが、コンピューター断層撮影(CT写真)
を撮るために日本に来る。

その分、検査の待ち時間も長くなりますから、日本のお金持ちは
「あの外国人と同じだけ自費で支払うから、先に撮ってくれ」と言うことでしょう。

そうなったら大変です。

つまり、お金持ちが来てもうかる、そんな都会の病院ばかりに医師や看護師が集まる。


すると、地方はどうなりますか?

地方在住の人々は、TPPにも切実な危機感を持っています。

一方、農業問題ばかりがクローズアップされがちなせいか、
都市住民はあまり関心がありません。

TPPが、実は、都市部も含め、「国民全員の暮らしと老後を直撃するものだ」
ということを忘れてはなりません。

反対論というより、くれぐれも慎重でなければならないと感じる次第です。


私の立場としては「留保」でしょうか、まず、大義が分からない。

農業はもちろん、医療や金融サービスの提供体制などを損なってまで
参加しなければならない理由が、何ひとつ具体的に説明されていません。

そしてTPP参加が、最終的に、皆保険の制度崩壊につながることを
危ぶんでいます。

TPPへの参加検討にあたっては、公的医療保険を「自由化」にさらさないよう、
日本政府に強く求めます。


何より気になるのが、国民の議論がないことです。

選挙では、全政党が、「皆保険堅持」を訴えつづけています。

皆保険は、震災が起きる前から、医療費膨張による財政悪化と
医療への市場原理導入という二つの危機に直面していました。


一部の人の「ぬけがけ」が、貴重な制度資本を崩壊させます。

世界中の人々があこがれるジャパン・ブランド「皆保険」。

公的医療保険の持続可能性について、国民全員が考えつづけることを期待しています。

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以上

2010年11月12日

医師と看護師

医師と看護師の関係を考えると、異文化理解に似たものを連想する。

ざっくりくくると、エンジニアと営業、文系と理系、女性と男性、
イスラム教とキリスト教、若者と大人、などなどとも同じになるのか。

根本的なマインド、大切にしていること、アプローチの仕方が違うのは、
そうなのだけれども、同じ目標を共有しているのに、そこでギクシャク
したり、罵り合っている場合じゃない。

実習以外で現場に出たことのない自分としては、現場の医師が
どのように看護師に対して考えているのか分からないし、人それぞれ、
病院、病棟それぞれで異なるのだろうと思う。慶應病院のGICUでは、
看護師の存在感の大きさをあからさまに感じたけれど、たぶん町中の
診療所ではまったく、その関係性は異なるんだろうなと思う。

少なくとも自分の知っている医学生の多くは、看護のことをあまり
良く分かっているようには思えない。それは当然だし、看護学生自身
だって、入学したての時は、良く分かっていないと思う。実習を通して、
看護師が大切にしていることを理解していくものだと思う。


聞いた話では、医学部でも看護師の後ろに1日中ついて回るという、
実習があるらしい。3日程度だけども、そこで初めて看護師の仕事を
垣間見て知ることになる医学生も多いとか。


医学生が学生時代に、低レベルな看護理解に基づく発言していることに
対して、より正確な看護の理解を、今から医学生は必要とするのか?
それとも、優秀な看護師が現場にたくさんいれば、そんなこと現場で、
否が応でも若手医師は理解できてくるものなのか?

現場に出て、それから理解できれば、それでもいいのだと思うのだけれど、
ただ、ちゃんと理解できる素地、マインドを学生時代から培いたい。

冒頭で書いた通り、異文化理解なのだと思う。相手の考えを、自分の
思考のみだけに基づいて勝手に断定し、陰で文句を言うのではなく、
相手の話をしっかり聞くことから始め、自分の考えを相手に伝え、
常に共有している、目標「患者の利益」のためにどうするべきなのかを
念頭に置ける、そういう医療者が、いい医療者なのだと、自分は考えて
います。

2010年11月7日

救いとなる医療

自分の大切にしている言葉のひとつに、「救いとなる医療」と
いうものがある。これは、ジャパンハートの吉岡先生の言葉。

看護を学んでいた時、看護師は患者さんに直接、医療を提供
することはできないけれども、多分に患者さん、そしてその
家族に救いを提供できる可能性を秘めた職業だなと感じた。

死を医療の限界と捉えるのではなく、いかに患者さんの救いと
成り得る医療を提供できるのか?
吉岡先生の考えの通り、たとえ結果として亡くなることになると
しても本人、家族にとっての救いが得られる医療を考えていく
ことが、医師としても大切なのではないでしょうか。


追伸

以前見た、吉岡先生の情熱大陸の映像をYoutubeで探した所、
削除されてました。代わりにジャパンハートのプロモ映像を発見。
http://www.youtube.com/watch?v=b1oQRK1B6qA

自分が今、運営委員をしている、jaih-s(日本国際保健医療学会
学生部会)もさらに映像広報に力を入れて行きたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=UNXYiU_DMxE